argius note

プログラミング関連

感傷の街角 (角川文庫)

2006.03.23

佐久間公(こう)シリーズ第一弾にして大沢さんのデビュー作。短編集。探偵、正確には法律事務所の調査員である佐久間公が、仕事の人捜しで様々な事件に遭遇する。
1980年前半が舞台なので、文化の古臭さは否めないが、大沢さんの書く人物の描写や台詞回しはこの頃から既に出来上がっている。公は妙に格好つけていて、言う事為す事、気障ったらしいのが鼻についたりするのだが、後半になってくると、気障なのは変わらないけど親しみが持てるようになってくる。友情にも厚かったりするし。
どうでもいいが、いずれかの作中で公が口にした「冷たい人」という言い回しが何だか変でちょっと面白く、気に入っている。