argius note

プログラミング関連

ギャラリーフェイク (1)〜(3)

細野不二彦さんの作品。これまでの彼の作品は、「ちょっと変わっているけど、割と正統派のヒーロー」っぽい主人公が多かったのですが、この作品はちょっと癖のある人物を主人公に立てています。
一言で表すならば、例えられるのは不名誉かもしれませんが、美術家版ブラックジャックでしょう。凄腕だが表舞台から追放された元キュレーター・フジタと、ある挿話がきっかけで一緒に暮らすこととなる某国のお姫様・サラ。ちょっと強引ですけどね。修復の腕前を見せるところ「なんて速さだ」とか、「ミケランジェロの辰」はBJの家を建てたおじいさんの話を彷彿とさせてくれました。勝手に連想しただけでしょうけど。大きく異なるのは、フジタは運動が駄目なところ。体力は50歳代並だとか。
こういう類の作品って、フィクションとノンフィクションの線引きが難しいんでしょうね。あまりリアルさに欠けても面白くないだろうし、架空の美術家や美術品出しすぎてもあまり面白くないだろうし。私は美術に造詣が深くないので見極められません。
最初に書いているように、癖のある主人公となりましたが、どちらかというと、ハードボイルド路線になったと言った方がしっくり来るのです。私はあまりハードボイルド物を読んでいないので似非ハードボイルド愛好家ですが、偏った格好良さという意味合いで捉えていただければ幸いです。
本編とは全く関係ありませんが、鑑賞したいと思っている画家の絵で、シャルダンという人の静物画。静物なのに、魂が宿っているかのような生々しさ。あと、佐伯祐三という人の風景画と人物画。何かしらの境地を感じさせる、壊れ気味の絵。