argius note

プログラミング関連

宇宙創成 (上)(下)

(「ビッグバン宇宙論」を文庫化により改題。)


サイモン・シンさんの3作目。天文学や宇宙論の入門書はほとんど読んだことありませんが、多少の予備知識がある上で言わせていただくと、本書はその入門書としてとても良く出来ていると思いました。
天動説が地動説に塗り替えられる頃からビッグバンが定説になるまでを、科学者の半生と共になぞっていき、様々な事象が滑らかにつながっているように見せてくれます。


個人的にとても興味深かったのが、水素とヘリウム以外の原子がどのように発生したかという説明です。あまり詳しく書くとネタばれになってしまうので簡単に書きますと、水素は核融合によりヘリウムになるのは太陽などの恒星で行われていることが分かっているけれど、それ以外の核融合はどうやって起こったのか、の箇所です。


また、科学は一般的に冷たいものという認識がありますが、本書に登場する科学者たちは人一倍心が熱い(フレッド・ホイルが特に印象深い)ですね。