argius note

プログラミング関連

ドラゴン桜 (1)〜(16)

弁護士桜木は、廃校寸前の私立高校を立て直すため、東大合格者を出す公約を打ち出した。その第一号に選ばれたのは、特別優秀なわけでもない生徒だった。この計画のシンボルとして、桜を植え、「ドラゴン桜」と名づけた.....
宣伝文句に「東大合格請負漫画」とあり、登場人物紹介ページも含めて、漫画そのものが学校案内のような雰囲気を醸し出しています。講師は、有名人のパロディを使ったりと古典的な手法が多く見られます(別に悪いという訳ではありません)。画力に関しては、ご本人もおっしゃっていますが、最低ラインをギリギリクリアしている程度です。しかし、表情などの表現力はちゃんと一定のレベルに達していて、逆にそれが強調されて良い味になっているように思います。
以前紹介した、「個性を捨てろ!型にはまれ! 」で述べられていることは、この作品に満遍なく織り込まれており、かつしっかりとしたドラマに仕立てられています。また、本編とは別に、教育関連のゲストのインタビューやメッセージがたくさんあり、この本自体がひとつの教育書的性質を持っています。
私も強く思うのは、学習には「なぜ」がつきものだということです。これは凄くあたりまえのことにも関わらず、最も学生たちに伝え切れていないことだと思います。一生をかけて、自分や社会に「なぜ」と問いかけつづけるべきなのです。「なぜ」の大切さを、目先の受験よりも遥かに重要だということを教えてあげる必要があります。「なぜ」が無い人間は、成長しません。
あと、「頭はからっぽ」の話。私も、レベルはともかくとして、頭をひとつの「評価器」とするイメージを持っています。忘れることはある程度仕方の無いことなのだから、情報を処理するロジックを洗練させたほうが良いということです。私は暗記が大嫌いだったので、自然とこうなってしまったんですけどね。
この本の良いところは、何も画期的なことをやっているわけではなく、迷走する教育界に、当たり前と言う現実を突きつけている点にあります。
最後にどうでも良いこと。タイトルになっている「ドラゴン桜」は、登場回数が凄く少ないような。いや、実際は描かれているんだが、気に留めていないだけなんでしょうか。登場以降は桜木が「もうすぐ葉が落ちる」とか言ったところだけしか気づきませんでした。