argius note

プログラミング関連

イキガミ (1)〜(3)

通称「国繁」と呼ばれる国策によって、すべての子供はナノカプセルを埋め込まれ、そのうち一部のものは成人前後で破裂するため心臓停止で死亡する。こうして命の尊さを半ば強制的に感じさせることで、人生を精一杯生きることを訴えることが目的で、この政策を維持するための公的機関がある。この機関が、死亡予定対象者へ24時間前に死亡予告通知書、通称「イキガミ」を届ける。これを仕事としている男性が主人公。
もし自分の死期が分かったら人間はどうするか、という良くあるテーマですが、良くあるだけに逆にそこを上手くドラマに仕立てないといけないので、ハードルの高いテーマと言えるでしょう。第一話が、まさに典型的なパターン「復讐」なんですが、24時間という短い時間の中での、死を迎える人間の葛藤をひとつの形にしているところは良いですね。ただ、「選挙」の話はちょっと分かり易すぎと思います。
個人的には、「介護」の話が好きです。死別した夫の真似、ってのはちょっと無理があると思いますが、運命を受け入れようとする青年の葛藤、仕事に対する姿勢、などが伝わってくるようでした。「路上ライブ」もありがちな話ですが、力強く描かれていて感じ入るものがありました。「純愛ドラッグ」の話は、つらいです。
まあ、現実だったら、こんな政策は受け入れられませんね。おまけに、人間は都合の悪いことは忘れてしまうもので、結局は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」だと思いますけどね。ドラゴン桜で、帰国子女対象の入試試験問題に「優先席」に関するものがあって、模範解答には優先席を設けざるを得ない社会背景についての言及がありましたが、この政策も然りなんでしょうか。