argius note

プログラミング関連

鈴木先生 (1)

物語は、中学校の教師が生徒の問題行動に頭を痛めているシーンから、何の前振りもなく唐突に始まります。一見、堅苦しい教育ドラマか、はたまた聖人のような教師が活躍する話か、などと読む前に想像していました。絵も劇画風なので。
確かに真面目な教師の話ではあるのですが、この鈴木先生は、融通の利かないタイプではなく、真剣に生徒達のことを考えていて、でも聖人君子のような「出来た」人間ではなく普通の人なのです。合コンで知り合った彼女とデートしたり、思わず抱いた生徒に対する劣情を抑えるのに苦労したり、でもそういった面が描かれているからこそ、ウソっぽくない人間像を表現できているな、と感じました。
話の内容ですが、いきなり給食の話が二連発。次に、生徒の強姦疑惑。一見落差を感じますが、これらの問題を同じように真摯に受け止めて解決しようとする先生の姿に、ちょっと生徒達への嫉妬を覚えてしまいました。正直な所、私自身は学校に限らず「師」と呼べる人間に巡り合うことが出来なかったと思っていて、こういう生徒と本音で語り合える先生(賛否両論あるでしょうが)に出会っていたら、もうちょっとまともな人間ができていたんじゃないか、と思うんです。これは無いものねだりでしかないんですけどね。多感な成長期に受ける影響を考えると、先生に恵まれるのは幸運なことだと思います。
話を戻しますが、問題への先生が出した解答は、どれもなおざりな対応ではなく、ちゃんと生徒に向き合っているところ、そして、教師と生徒という立場はあっても、それ以外は人間として対等に接する、という姿勢が素晴らしいなと思いました。