argius note

プログラミング関連

市民のための裁判入門

私のような、法律関連からっきしの人間にはひととおりの説明がされていて分かりやすいです。

復習のために、問題点と思しき事柄について、まとめを書いてみます。これまた読んでから時間が経ってしまい、細かい点は覚えていないので、本書に関係ないことを書いていたりするかも知れません。

裁判官は非民主的に任命される

裁判官は大きな権力を持っています。しかし、国民がそれを罷免することはできません。制度的にも無理ですし、国民が裁判官の仕事ぶりを判断するための情報が開示されていないということもあります。
最高裁の裁判官だけは、そういう制度がありますが、機能しているとは言いがたい制度です。

裁判官は独立

サラリーマンに限らず、普通の職業では、上司の言うことは絶対です。ところが裁判官の場合、上司といえども個々の裁判官の決定に干渉してはいけないことになっています。判決に限らず、すべての仕事においてです。
ただ現実には、人事権はお偉いさんが握っており、そのお偉いさんに目をかけてもらわないと出世に差し障るため、完全に上司の影響を受けないということは無理のようです。

司法集権

最高裁は、ある部分において三権すべてを掌握しています。おまけに、裁判官の独立という性質から、国民主権に反する存在であるので、なんというか、良くないです。

蛇足判決理論について

判決理由欄には、判決の主文を説明する理由以外記載すべきではなく、判決理由に関係の無い記載を、「蛇足判決」と定義しています。ここでは、尊属殺人違憲とされた判例や靖国神社参拝問題などを例に出し、蛇足判決が違憲であり越権であると主張されています。

裁判員制度について

裁判は、法令に基づいて判断が下されるべきものであり、法令に基づかない要素を判断材料にする時点で違憲である、と論じられています。ばっさりと、ただそれだけを述べられております。

まとめ

教科書を読むような感覚で、かつ寄り道しながら読み進めたので、とても時間がかかりました。おまけに読み終わってから感想書くまでも間隔を空けてしまいました。
本書は、ある程度体系的に記述されているので、教科書としては悪くないかも知れません。ただ、この方のお話は、入門書にしては主張が強すぎるように思いました。以前読んだ裁判員制度の本の内容を含め、各々のご意見にはあまり中立的な印象を感じませんでした。今度はまた別の方の入門書を読んでみたいと思います。