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プログラミング関連

死の壁 (新潮新書) - 養老孟司

有名なベストセラー「バカの壁」の続編にあたる作品。前作同様、養老さんが話されたものを編集の方が文章にするというスタイルで作られています。
死について、本職の解剖学の観点からだけでなく、現代の人間の死に対する意識を分析して語られています。例えば冒頭では、集合住宅から遺体を運び出すときに、横たえたまま運び出すことができなかったという挿話などから、人間の生活と死は切り離せないのに、情報化社会では死は無いものと扱われる傾向にある、と述べられています。
私はまだ前作と本書しか読んでいませんが、養老さんのお話は、とても簡素で洗練されたロジックから出力されているという印象があります。自分の頭ではこういう答が出ていて、こういう考え方もあるんだ、ということを主張されていると思うのです。ただ、あらゆることを断定しているように受け取れる節があるので、受け入れられない方も居られるかも知れません。