変身 - 東野圭吾
「分身」「宿命」とあわせて医療3部作のように扱われている作品。順番はちゃんと調べてないけど。今回はちょっとだけ内容に触れてみます。
事故で頭を負傷した主人公は脳移植によって奇跡の生還を遂げる。その影響からか、主人公の性格に変化が見られるようになる。
脳手術によって人格に変化が現れる作品で必ず思い出すのが「アルジャーノンに花束を」なんですが、良かれと思ってやったことがハッピーエンドにならない点で共通しています。
この作品では、ある登場人物の凶行が生々しい描写で書かれていたりするのですが、恐ろしいとか気持ち悪いと感じるよりも、とても悲しい気分がこみ上げてきました。人間の狂気は、一部の人間による自分勝手な行動によって生み出されているのではないか、と思わずにはいられません。