幻夜 - 東野 圭吾
物語は1995年の阪神・淡路大震災に被災する小さな工場を舞台に始まり、ミレニアム騒ぎまでの事件や流行を交えて進行します。これは、姉妹作といわれる「白夜行」と似たところがあります。他にも、表紙であるとか、文庫版のページ数が800近くて(白夜行は850余ページ)分厚いところなどが似ています。
ただ、前回と比べて、ちょっと物足りなさを感じてしまいました。謎や人物の雰囲気などが、なんとなく軽くて手応えが弱かった気がします。先が読めてしまう流れもあるように思います。
ところで、あの最後は仕組まれていたのでしょうか。「ふつうでは考えられないほどの」という表現が引っかかるものの、その根拠は読んでいるときには気づきませんでした。