神は妄想である
- 副題:宗教との決別
- 原著:The God Delusion
- 著者:Clinton Richard Dawkins (クリントン・リチャード・ドーキンス)
- 訳者:垂水雄二
- ASIN:4152088265
通勤時間、休憩時間のみ充てて、ゆっくり咀嚼して、2週間くらいでやっと読了しました。
ちょうどこの副題に関する情報が欲しいなと思っていた頃、ある本屋さんの普段は立ち入らないコーナーに何気なく入ってみると、本書の何とも直接的な題名が目に留まりました。これって、神のお導きに違いないちょっと運命的なものを感じます。
本書の内容は、要は、無神論の主張です。自分もこのようなことは、漠然と考えたりしていました。しかし、本書では、これでもかという膨大な情報を元に徹底的に主張して、それを否定します。ほとんどの話に納得させられるのと同時に、それの恐ろしさに改めて衝撃を受けました。
この日記のポリシーに反するので、この問題にあまり深く言及できませんが、ちょっとだけ書きます。
本書P.413あたりの、科学者の「証拠信仰」が原理主義的な信仰と同じ類の事項だという話に対する記述の中で、
私たち(科学者)は、証拠が支持しているという理由で進化を信じるのであり、もし、それを反証するような新しい証拠が出されれば、一晩で放棄することになるだろう。
という部分は、科学のスタンスの一部分を簡潔に説明しています。これは、無神論の主張であるのはもちろん、科学万能主義に対する否定的な見方への誤解を解く説明にもなると思います。科学者でない人間がこんなことを言うのはおこがましいことかもしれませんが、科学というのは「客観的な情報に基づいてこの世の理を解析する手法」に過ぎない、ということです。
このような記述は本書に限った話ではありませんが、私が引用できる書籍は今のところ少ないので、ここを引用しておきます。