argius note

プログラミング関連

独白するユニバーサル横メルカトル - 平山夢明

グロや理不尽が苦手な人にはお薦めしませんが、個人的にはとても楽しく拝読いたしました。
私は最近、読書と言えば(もちろんマンガを除いて)新書、業界関連が主で、小説などは好きな作家の物に限られていました。また、私は最近はほどんどテレビを見ません。逆に言えば、ほんの僅かのテレビ視聴は行うということですが、そこで興味深い番組を見つけました。NHKのBS2で放送されている「週刊ブックレビュー」という番組です。これは、読書が好きな著名人をゲストに招いて、その方々に最近気に入った本を紹介していただくという内容です。前置きが長くなりましたが、掲題の作品は、この番組で紹介されていたものです。
さて、この小説は、ミステリーに位置づけられ、推理作家協会から賞を受けていますが、どちらかというと"ホラーサスペンス"の類かと思います。また、グロテスクな表現が多く、そういったジャンルに免疫がない方にはお薦めできません。かくいう私も、それほど得意なジャンルではないのですが、"サイコ・サスペンス"は好きなので、楽しめました。カスタマーレビューも賛否両論で、万人にお薦めできる作品とは言えませんが。
本作品は8つの短編から成っていて、数学、医学、SFなどの要素がちりばめられており、退屈しません。中には意味不明の話もあるのですが、一見読みづらそうな文体は、慣れてくるとそうでもないことに気づき、飽きることなく読み進めることができました。
他の特徴としては、人物名が変わっています。なぜそのような名前なのかは分かりませんが、それはどうでも良いことかもしれませんし、在りもしないことを想像するのに一役買うかもしれません。